金融&データサイエンス事業部で事業部長を務める志津にインタビューしました。

経営戦略本部 ビジネスデザイナー
久須見 健弘
広島大学大学院理学研究科地球惑星システム学専攻を修了後、システムコンサルティング会社に入社。株式会社リネア入社後は、金融市場系パッケージの開発に従事。経験を活かし複数のビジネスデザインを手がける。その後は農業関連のプロジェクトを経て、近年ではSociety5.0をはじめとした国の研究開発プロジェクトに携わり、新領域での事業開拓を推進している。
当社の主業務は、金融機関に向けたソリューションなのですが、実は他にも、AIやその他最先端のロジックを活用して、別業界に向けた支援も行っています。
例として、AIビックデータを活用した、農作物収穫時期・収穫量予測モデルの作成などが挙げられます。「自分の畑」を家族経営の形態で営農する場合、農家さんご自身が畑と作物の特性をよくご存じであり、一定の予測・管理ができました。しかし今、農業の担い手は農業生産法人などこれまでよりも組織的な形態へ変わりつつあります。そこでは貸借した初めての農地で営農する、昨年と今年で担当する畑・作物が異なる、販売担当は自分が直接生育管理をしない作物の販売を計画・実施するなどの条件下で農業を実現することになります。端的に言えば、誰が担当したとしても同様の生産計画で農作物を作り・販売できるようにしなければなりません。そこで収穫時期・収穫量予測の「モデル」が重要な要素となってきます。
リネアでは、パートナー企業のプロジェクトにデータサイエンティスト、コンサルタントとして参画し、過去の気温や農作物の生産量をデジタルデータ化し、ビックデータの解析を行いました。このプロジェクトでは学術機関との連携や、個別農家へのヒアリング、サービス展開に関するコンサルティングなども行い、組織的農業におけるビジネスの高度化を支援しています。モデルケースでの試算として前年比約10%増の収益向上を見込んでいます。
どんな業界からのご相談でも同様のことが言えますが、実は、リネアに相談に来る案件は、「すでに他で断られている」ものが多いのではないかと思います。実際、過去の成功事例が無い、明らかな勝ち目、収益性が見つからない場合、ストラテジックな案件は一見するとビジネス的に困難に思えます。
ただ、リネアでは、できるだけ断りません。「リネアならなんとかしてくれる!」と思い、声をかけて頂いたからには、お客様と一体となって、お客様の持つ価値と課題を分析・深堀し、「できる形」を精一杯探します。お客様の強い思いが反映された課題は、議論を重ねる中で収益的にも意義がある取り組み方が見えてきます。
当社の業務範囲は金融によっていますが、ストラテジー領域としては、それ以外の業界の案件も多くあります。
このため、その業界のことを何も知らない状態から、調べ、学び、理解を深めていく必要があります。自分のやり方を押し通すだけではなく、相手の環境を素早く理解し、合意点を見つけ、相手の良さと、向かうべき方向性の最適解を見出していく。こういったことを実行するためには、相手の文化を受け入れる柔軟性が重要と言えます。私自身、大学院で地震学を専攻し、その後プログラマになったのちにリネアに入社したので、最初は金融のことも農業のことも全く分かりませんでした。
幸いなことに今は、10年、20年前に比べ、あらゆる業界や業務のガイドライン、書籍が多く発行されており、自分で知識を獲得しに行こうとすれば見つかる時代です。お客様自身が発信するメディアも増えています。金融だろうと農業だろうと、他のあらゆる業界だろうと、やってやれないことはないのです。
あとは、自信でしょうか。「自分はやれる」特に、「自分は“これからもっと”やれる」と感じている人は、ぜひ応募してきてもらいたいです。必ず成長できる環境が、ここにはあります。