Pursuer®

金融機関向けのマルチフィルタリングシステムです。多様なリストを一元管理して、顧客情報のスクリーニング業務を効率化します。

複数リストを簡単管理
正確かつ高速に全量の一括照合を実現

Pursuer®は、金融機関における顧客情報のスクリーニング業務を効率化するフィルタリングシステムです。さまざまな形式のリストを、事前加工なしで登録・一括照合できます。

警察庁、財務省、全国銀行協会などが提供する凍結口座名義人リスト・資産凍結者リスト・反社会勢力リストと顧客情報との照合作業を自動化し、 正確かつ高速に処理します。

近年の規制強化により、対象とすべき照合リストの増加や、精緻な照合を行うことが求められています。Pursuer®では、リストの追加対応や照合ロジックのチューニングを行うことで、規制強化に対応しながらコンプライアンスの徹底とリスク低減を実現します。

Kerux照合アプリの3つの特徴、「照合事由を簡単設定」「最小限の入力」「一括照合」機能とその画面例。

このような方におすすめ

  • 銀行・信用金庫・証券会社など、コンプライアンス強化が求められる金融機関
  • 凍結口座名義人リストや反社リストとの照合を、手作業から自動化したい企業
  • 複数のリストを一元管理し、業務の効率を高めながら、正確性を向上させたい企業
  • パッケージの導入単体でAMLフィルタリング業務を実現したい企業

特長

複雑な形式のウォッチリストを、加工なしで簡単登録・一括照合

一般的な照合作業では、リストの事前加工処理が必要である、リストごとに担当者や管理方法などが異なるなど、業務が煩雑になりがちです。

Pursuer®は、さまざまな形式のリストを事前加工処理をせずにそのまま取り込み、ボタンひとつで登録可能。登録方法は手動と夜間バッチ自動取込の2通りを用意しており、業務フローに合わせた運用が行えます。また、登録された複数リストに対する一括照合も可能です。これらの機能で、手作業によるミスや更新管理の手間を削減します。

  • 加工処理不要でリストを取込み可能
  • リスト登録方法には、手動登録・夜間バッチ自動取込をご用意
  • 大量の顧客データと複数リスト間の一括照合が可能
  • 更新履歴・過去のバージョンも一元管理
  • 各金融機関独自のリストにも対応(30種類以上の実績あり)

以下に、お客様による利用実績を一部ご紹介します。

用途照合リスト例
要人チェック・PEPsリスト(外国PEPsリスト(JCIF))
反社会的勢力・犯罪防止・全銀協提供リスト(個人・法人の反社リスト、生保・損保リスト)
・公益財団法人・暴力団追放運動推進都民センターリスト(暴追センター公表リスト)
・警察庁リスト(凍結口座名義人リスト(個人・法人)、不正送金口座リスト)
制裁・資産凍結対応・資産凍結者名義リスト(経済制裁対象者リスト、国連安保理決議対象者、財務省提供)
・各種制裁リスト(UK制裁リスト、EU制裁リスト、OFAC制裁リスト)
取引・信用リスク管理・各行独自リスト(株主リスト、忌避リスト、その他独自リスト)
・SIリスト(特定業種向け信用リスト)
・ネガティブ情報リスト(個人・法人の信用低評価情報)

直感的な操作でスムーズな運用を実現

シンプルなUIと便利な入力補助機能などにより、誰でも迷わず操作可能です。例えば「照合事由」を選ぶだけで、対応する検索条件や対象リストが自動で反映されるため、手動で都度指定する必要はありません。複数のリストとの照合も、1クリックで一括処理できます。

画面上に必要な情報と操作が整理されているため、どの手順で何を実行すべきか迷うこともありません。

Kerux照合アプリの3つの特徴、「照合事由を簡単設定」「最小限の入力」「一括照合」機能とその画面例。

高度な検索設定で、必要な情報を的確に抽出

Pursuer®では、さまざまなアルゴリズムを活用し、リストとの照合作業を正確かつ迅速に処理します。単純な完全一致判定だけでなく、あいまい一致照合や特殊部分一致照合などに加え、それらを複数組み合わせた複合条件による絞り込みも可能です。これらの機能により過剰なヒット数を抑えながら、期待するヒット結果を効率的に抽出できます。

採用している照合手法・絞り込み機能
・完全一致照合手法
・文字の揺らぎなどを考慮し類似度を評価するための、あいまい一致照合手法
・局所的な類似度の高さを評価するための、特殊部分一致照合手法
・各手法・閾値により検索された複数項目による絞り込み(AND/OR検索)

照合業務を効率化する、便利機能を多数搭載

Pursuer®は、単に照合を行うだけでなく、現場での使いやすさや運用管理のしやすさにも配慮した機能を数多く搭載しています。PDF帳票出力や履歴保持、ホワイトリスト管理、権限設定など、金融機関の運用フローに即した管理機能を備えており、日々の業務をサポートします。

機能の一例
  • 証跡保存目的でのPDF帳票の出力
  • ユーザ管理・権限制御機能搭載
  • 設定ファイルによる照合条件変更・反映・管理が可能
  • 除外リスト(ホワイトリスト、グレーリスト)管理機能
  • 照合履歴保持機能(使用者情報、顧客詳細情報などと連携)
  • 各種承認処理機能

財務省の監査を通過した高い信頼性

国内の地方銀行・信用金庫を中心に、多くの金融機関での導入実績があります。財務省の監査もこれまで幾度となく通過しており、その信頼性と実用性が証明されています。各金融機関が独自に管理するリストにも対応できるため、業務の特性に応じた運用が可能です。

導入までの流れ

導入期間の目安はおよそ4カ月です。照合リストの種類が限られている場合や、特別なチューニングが不要なケースでは、2カ月程度での導入も可能です。

照合システム導入の7ステップフロー図、リネアと顧客の役割、所要期間、打合せ回数を含む。

1.ヒアリング・ご提案

お客様のご要望をお伺いします。カスタマイズの要否、運用想定などを確認し、最適なプランをご提案します。また、Pursuer®の機能説明、必要に応じてデモンストレーションを実施し、プロダクトへの理解を深めていただきます。

2.ご契約

提案内容をすり合わせのうえで、ご契約いただきます。導入から運用まで専任の担当者が継続的にサポートします。

3.要件定義

1:業務ヒアリング・運用条件の整理

お客様の業務フローや運用環境をお伺いします。さらに照合業務の目的や対象データ、照合結果の活用方法についても確認し、要件のすり合わせを行っていきます。主なヒアリング内容は以下の通りです。

主なヒアリング内容
  • お客様の業務フロー
  • 照合業務の想定する流れや目的
  • 対象とする顧客情報およびウォッチリスト
  • 照合結果の活用方法
  • 外部連携の必要性

2:リスト構成・検索仕様の確認

照合対象のリスト選定、照合条件の設定方針を整理します。取り込み対象のファイル形式やファイルレイアウト、照合手法および絞り込み条件、帳票のレイアウト、業務ボリューム感などもあわせて確認します。また、夜間バッチのスケジュールもすり合わせします。

4.設計・製造

要件定義フェーズで確定した内容を基に、顧客情報およびウォッチリストの取込機能の実装、検索条件や各種権限・店舗情報の設定を行います。また、当社環境にて業務フローへの組み込みを想定したテストを行います。

5.本番環境への導入

本番環境へ反映し受入テストを実施します。お客様にご用意いただける場合は、本番データを使用した検証も実施します。

6.検索条件の最終調整・チューニング

受入テスト結果を踏まえ、実運用に向けたシステムの最終調整を行います。お客様には帳票レイアウトや抽出粒度などをご確認いただきます。本番運用時の負荷や精度バランスを加味し、照合業務に最適な設定に仕上げます。

7.運用開始

導入後も各種お問い合わせ、設定変更などサポート対応可能です。スムーズな稼働立ち上げ支援はもちろんのこと、保守業務についてもフィルタリング業務に精通した専任担当者が対応することで、トータルサポートをご提供します。これら保守サービスに関しましては別途お問い合わせください。

参考スペック

Pursuer®の動作環境は、対象データ件数、運用時に確保できる処理時間、照合条件の複雑さや照合項目などによって必要スペックは大きく左右されます。そのため、以下構成例はあくまでも参考スペックとなり、推奨スペックではありませんのでご注意ください。実際の導入時には総合的な判断により、無駄のない構成をご提案します。

ハードウェア・ミドルウェア構成例

JCIF:外国人PEPsリスト対応

項目詳細
CPUスレッド数8スレッド(4コア)
Memory32GB
HDD300GB × 4(RAID10)
OS 名Windows Server 2019 Standard Edition
OS 製造元Microsoft Corporation
DB1PostgreSQL
DB2SQLite

ダウ・ジョーンズ社:外国人PEPsリスト対応

項目詳細
CPUスレッド数32スレッド(16コア)
Memory64GB
HDD600GB × 4(RAID10)
OS 名Windows Server 2019 Standard Edition
OS 製造元Microsoft Corporation
DB1PostgreSQL
DB2SQLite

  • あいまい照合でリスク見逃しを防止。AMLフィルタリング業務を統一、監査対応への信頼性も確保

    業種
    金融機関
    相談部署
    システム企画部門
    企業形態
    法人
    従業員数
    1,000~1,500人
    予算
    1,000~1,500万円
    実施期間
    2013年1月~2013年6月※2025年現在も継続利用中
    Pursuer導入事例

    ご支援内容

    相談背景
    • AML対応時に、Excel上での検索など簡易的な照合しかできない
    • ウォッチリストが部署ごとに保持されており一元管理がなされていない
    • 窓口担当者や本部側承認者などのAML業務負荷が高い
    • 当局監査に備え、体制強化を図りたい
    提案内容
    • AMLフィルタリングシステム「Pursuer®」の導入で以下を提案
    • 公的・独自の複数ウォッチリストの統合管理
    • あいまい照合を活用した全量スクリーニング機能の実装
    • 高速なオンライン照合
    • ワークフローに応じて自動化されたウォッチリスト選択
    結果
    • あいまい照合アルゴリズムによる照合・抽出が可能に
    • 複合条件による照合結果の高度な絞り込みを実現
    • 夜間バッチ処理導入により、日中の対応工数が削減
    • 本部や営業店でのAMLフィルタリング業務負荷が大幅に軽減
    • 当局による監督・検査時に、明確な照合基準や判定根拠が説明可能に
    • 安定性や性能の面で高い評価をいただき、2025年現在も継続して稼働中

    担当者

    渡邊 英樹

    デジタルソリューション&コンサルティング事業部 事業部長

    渡邊 英樹

    会社全体の強みを最大限に引き出すため、部門やプロジェクトを横断した全体最適の視点で業務に取り組んでいる。各部のリソースや専門性を効果的に組み合わせることで、組織としての価値提供力を高めることを重視。特に情報セキュリティ対策に注力しており、社内体制の整備や運用管理を通じて、安心してサービスを提供できる環境づくりを推進している。

    臼井 伸吾

    フィナンシャルエンジニアリング部 部長

    臼井 伸吾

    株式会社リネアに入社以来、長年にわたり金融市場系パッケージの導入に携わってきた市場系のスペシャリスト。AMLフィルタリング分野では多数の導入プロジェクトを担当し、全国の金融機関への展開を支援。高い専門性に加え、現場との調整力にも優れ、プロジェクト全体を円滑に進行させる体制づくりを支えている。

    金澤 友紀子

    AMLソリューション開発部 部長

    金澤 友紀子

    株式会社リネアに入社以来、AMLフィルタリングパッケージの導入や、ネームスクリーニングライブラリ「Kerux」の導入支援など、要件定義から設計・実装・運用まで幅広い工程を担当。上流工程から下流工程まで、システム導入の全体プロセスを円滑に推進することを得意とする。業務フローと技術要素の双方を理解したうえで、プロジェクトを着実に前進させる実行力を強みとしている。

    寺島 拓

    AMLソリューション開発部 システムエンジニア / 博士(科学)

    寺島 拓

    東京大学大学院 新領域創成科学研究科 物質系専攻を修了後、株式会社リネアに入社。市場系パッケージの導入を経験したのち、AMLフィルタリングパッケージの導入業務に従事。多数の導入プロジェクトを担当しており、要件定義から開発、保守運用まで一貫して対応可能。幅広い工程を担える柔軟性と豊富な経験を強みとしている。

費用について

初期導入費用:1,500万円~

 

費用に含まれる内容

  • 要件定義
  • 照合ロジック設定
  • 検索画面調整
  • 動作確認

※上記は標準的なケースです。システム環境、対象リストの種類・件数、調整内容などにより、費用は変動します。

よくある質問

  1. Q1.

    あいまい照合とは何ですか?

    Pursuer®におけるあいまい照合とは、2つの文字列を比較し、特定のルールを用いて類似度をスコア(1〜100)として算出する機能です。スコアが高いほど文字列の類似度が高いことを意味します。

  2. Q2.

    独自に管理しているリストを登録することは可能ですか?

    「独自リスト」として設定することで画面から登録できます。フォーマットや件数などは要件定義の段階でご相談ください。

    なお、登録対象の情報はファイル形式でのご提供をお願いしております。ファイル化されていない情報(例:データベース上のデータ)をご利用されたい場合は、別途ご相談ください。最適な取り込み方法をご提案します。

  3. Q3.

    顧客情報など、100万件を超える人物情報を日次でスクリーニングできますか?

    ご利用環境やデータ構成によって処理速度は異なりますが、大量データに対応した設計となっており、日次でのバッチスクリーニングも実施可能です。詳細な要件に応じた動作検証も可能ですので、ご相談ください。

  4. Q4.

    他システムと連携し照合処理はできますか?

    可能です。Pursuer®では、HTTPリクエストで送信された照合対象情報を受け取り、照合処理結果を返却するAPI連携機能を提供しています。以下利用イメージとなります。

    【利用イメージ】

    1. 連携元の他システムにて照合対象の顧客情報を入力し「照合」ボタンを押下(Pursuer®へAPI連携)
    2. Pursuer®にて照合処理を実施し照合結果を返却
    3. 連携元の他システムにて照合結果を表示

    その他、API連携方式により検索した結果を、Pursuer®の照合結果詳細画面で確認することもできます。詳細はお気軽にお問い合わせください。

  5. Q5.

    スクリーニングを実施する顧客ファイルを複数指定することはできますか?

    同時に複数顧客ファイルと複数ウォッチリストを照合できます。

  6. Q6.

    照合結果の確認や承認を、管理者だけに限定できますか

    可能です。例えば、一般ユーザーは同一店舗内の照合結果のみ確認でき、管理者は全店舗の結果確認および承認が行えるように制御できます。

  7. Q7.

    ウォッチリストの詳細情報の閲覧を、特定ユーザーのみに制限できますか?

    ユーザーごとに閲覧可能なウォッチリストを制限できます。また店舗単位で閲覧可能なウォッチリストを設定することも可能です。(閲覧不可のウォッチリスト情報は表示されません。)その他、役職と連携した権限管理機能もあります。詳細につきましては、お気軽にお問い合わせください。

  8. Q8.

    導入後に保守サービスを依頼できますか?

    可能です。対象となるデータ量やリストの種類・件数に応じて、サービス範囲や費用が異なるため、お客様の状況に合わせて最適なプランをご提案します。

  9. Q9.

    店舗や役職などの情報が定期的に変わる場合、どのように対応すればよいですか?

    保守サービスをご契約いただいている場合は、保守サービスの範囲内で修正対応します。

  10. Q10.

    導入前に検証環境を作成して動作確認をすることは可能ですか?

    可能です。お客様にてご用意いただいたテスト環境上に、検証用システムを構築し、一定期間ご利用いただけます。なお、環境構築にかかる作業費および検証期間中の利用料は、別途ご負担いただきます。

  11. Q11.

    導入期間はどの程度ですか?

    4カ月程度での導入を標準としています。リストの種類が少なくチューニング作業も特別必要ない場合は、さらに短期間での導入も可能です。

  12. Q12.

    クラウド環境での利用はできますか?

    お客様のご要望に応じて導入・運用をサポートします。まずはお気軽にご相談ください。

お打ち合わせでは機能詳細などについてお話しできます。
ライセンスのお試しも可能です。

他にも費用やシステム導入の期間・工数などもご相談いただけます。

まずは相談してみる

「課題の解決方法がわからない」「リネアでできることを知りたい」などお気軽にご相談ください。

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