まずは相談してみる
「課題の解決方法がわからない」「リネアでできることを知りたい」などお気軽にご相談ください。

お客様は、国内外の取引先の多面的なリスク把握・監視ソリューションを提供しており、その大規模なアップデートを計画していました。その一環として検討していたのが、対象企業のリスク評価に使用可能な項目の値からリスクスコアを自動算出し、そのスコアに応じたリスク仮格付を行う新機能の実装です。
しかし、このリスク仮格付モデルは前例がない取り組みであり、どのように数理的にアプローチし、ロジックを構築すればよいか手探りの状態でした。こうした状況を踏まえ、リネアは以下の提案を行いました。
上記要望を受け、以下のステップで課題解決を支援しました。
まずは、想定されているサービス内容やリスク格付の仕様を把握し、参考となる国内外の類似事例を調査・分析しました。
調査・分析結果を基に、リスク項目ごとのスコア基準を数理的なアプローチにより検討しました。「リスク」を定量化する仕組みとして、生成AIによるリスク情報の調査を自動化。加えて、対戦成績の強さを数値化する「イロレーティング」手法を応用した評価モデルを考案・採用しました。
賄賂・汚職、AML/CFT、人権などの各リスク項目に対し、公的機関や調査機関の指標、事例数などを収集し、リスク量を定量化。その結果を基に、リスク項目ごとの既存規則の見直しも提言しました。
収集したデータを基に、各リスク項目に対してスコアを付与。異なる根拠を持つリスク項目を比較評価できるよう、イロレーティングに基づいた手法を用いてスコアを算出しました。
各リスク項目のスコア合計と格付の対応関係を整理し、実際の組み合わせパターンの分布を基に、リスクの高低を判定する閾値ルールを設定しました。これにより、利用者が判断しやすい格付結果の提示が可能となりました。
仮格付ロジックの構築に加え、スコアリングから格付判断、更新手法までを一貫して整備したことで、リスクの定量評価が可能となりました。これにより、運用現場での格付提示や判断基準の精緻化が進み、リスク管理業務の信頼性向上と業務効率の改善が期待されています。
先端数理技術戦略部 部長 / 博士(理学)
大阪大学大学院 理学研究科を修了後、東京工業大学理工学研究科 日本学術振興会特別研究員を経て株式会社リネアに入社。2015年からRudimentsの企画・開発に従事し、金融機関向けのVaR計算やCVA・DVA評価ツールの開発、モニタリング業務高度化のためのAIシステム開発など、多数のプロジェクトでPMを務める。
先端数理技術戦略部 シニアアナリスト / 博士(理学)
東京大学大学院理学系研究科天文学専攻を修了後、国立天文台で特任助教として研究に従事。株式会社リネア入社後は、データアナリスト・エンジニアとして、Rudimentsの導入・開発・顧客提案に携わる。金融機関の債券管理システムや入出金データ分析、大手製造業のAIアルゴリズム開発など、多様なプロジェクトで実績を持つ。近年は生成AIの業務活用に関する企画にも取り組んでいる。
データ分析とAI活用でリスクを予測し、不正検知・財務リスク評価など、お客様のリスク対策を支援します。
お客様向けの詳細事例や概算費用は個別にご案内可能です。お気軽にお問い合わせください。