まずは相談してみる
「課題の解決方法がわからない」「リネアでできることを知りたい」などお気軽にご相談ください。

ご相談当時、お客様はトラブル発生の低減を目的に、設備や作業環境でのヒューマンエラー削減に取り組んでいました。その一環として実施していたのが「なぜなぜ分析」です。しかし、この分析は個人の経験や主観に左右されやすく、結果が分析者によって大きく異なるという課題がありました。また、分析に要する時間も長く、現場の負担となっていました。
分析結果のばらつき解消のため、お客様社内では問題区分ごとに概念ツリーテンプレートも作成されていましたが、それもまた作成者の主観に基づくものであるため、作成されていたテンプレートとなぜなぜ分析結果との乖離を懸念されていました。
こうした背景を踏まえ、リネアは以下のような施策を提案しました。
上記提案の実現に向け、以下のステップで取り組みました。
現状の分析業務の流れや課題を詳細にヒアリングするとともに、過去に実施したなぜなぜ分析結果の履歴データを収集しました。
収集した過去のなぜなぜ分析結果データを詳細に分析し、有効な分析アルゴリズムの方向性を検討。分析の一貫性と客観性を確保できるよう、データ駆動型のアルゴリズムの開発を進めました。
アルゴリズムのプロトタイプを作成し、お客様側の有識者と綿密に意見交換を重ねながら、機能のブラッシュアップおよび精度の向上を図りました。
このフェーズで重視したのは、丁寧な対話を通じてニーズを引き出し、要件を整理・具体化するプロセスです。お客様の社内ではデータ分析やAIに関する知見が限られており、進め方や実現したいことの言語化が難しい状況だったためです。
密なコミュニケーションを重視した進め方は、お客様からも評価され、結果として現場の業務フローに即したアルゴリズム開発につながりました。
開発したアルゴリズムを現場で効果的に活用できるよう、APIの設計を行いました。次いで、お客様が機能を具体的に理解・評価しやすいよう、デモアプリケーションを提供。分析アルゴリズムに対するフィードバックを収集し、それらを反映させた実運用に対応可能なWebAPIを開発・納品しました。
こうして完成したWebAPIにより、他社製の分析支援ツールとの連携も可能となり、統合的な業務改善に貢献しています。
過去のなぜなぜ分析結果データを基にした分析支援アルゴリズムを開発したことで、「なぜなぜ分析」の結果がより客観的になり、所要時間を短縮することが可能となりました。これにより、分析業務の効率化に加え、個人のスキルや経験に左右されにくい安定した分析結果が見込めるようになりました。
また、取り組み過程のデータ分析を通じて、お客様が自社の安全対策状況を客観的に把握できたことも大きな成果です。
この取り組みはお客様から高く評価され、生成AIを活用したさらなるアルゴリズムの機能改善や、システム全体の開発支援といった、追加案件へとつながりました。
先端数理技術戦略部 部長 / 博士(理学)
大阪大学大学院 理学研究科を修了後、東京工業大学理工学研究科 日本学術振興会特別研究員を経て株式会社リネアに入社。2015年からRudimentsの企画・開発に従事し、金融機関向けのVaR計算やCVA・DVA評価ツールの開発、モニタリング業務高度化のためのAIシステム開発など、多数のプロジェクトでPMを務める。
先端数理技術戦略部 シニアアナリスト / 博士(理学)
東京大学大学院理学系研究科天文学専攻を修了後、国立天文台で特任助教として研究に従事。株式会社リネア入社後は、データアナリスト・エンジニアとして、Rudimentsの導入・開発・顧客提案に携わる。金融機関の債券管理システムや入出金データ分析、大手製造業のAIアルゴリズム開発など、多様なプロジェクトで実績を持つ。近年は生成AIの業務活用に関する企画にも取り組んでいる。
業務の属人化や非効率に対し、データ分析を基に業務改善と効率化をサポートします。
お客様向けの詳細事例や概算費用は個別にご案内可能です。お気軽にお問い合わせください。